TDnet 適時開示を API で自動監視する
上場企業の適時開示を追っている人なら、東証の TDnet を一日に何度もリロードした経験があるはずです。決算短信、業績予想の修正、自己株式の取得——注目している銘柄の開示がいつ出るかを確認するには、TDnet の一覧を目で追い、必要な PDF を一つずつ開くことになります。追う銘柄が増えるほど、この作業はすぐに現実的でなくなります。
このガイドでは、NexGenData の japan-tdnet-timely-disclosures Actor を使って、TDnet の適時開示を条件に沿って自動収集する方法を解説します。この Actor は適時開示の一覧を構造化された JSON として返すため、スケジュール実行と組み合わせて日次で監視できます。
手作業の限界
TDnet は人が一件ずつ見るぶんには問題ありませんが、複数銘柄を継続的に監視するには手間がかかります。よくある不便は次のとおりです。
- 銘柄ごと・開示種別ごとに、一覧を何度も確認し直す必要がある。
- 前回チェック以降に出た新しい開示だけを拾うには、日付を目で突き合わせることになる。
- 結果を表計算やデータベースに移すには、コピー&ペーストを繰り返すことになる。
- PDF は一件ずつ開かないと中身が分からず、リンクの管理も煩雑になる。
入力フィールド
この Actor が受け取る入力フィールドは次のとおりです。実際のフィールド名をそのまま使います。
date_from/date_to—— 収集対象期間の開始日と終了日。company_filter—— 企業名で絞り込みます。ticker_filter—— 証券コードで絞り込みます。銘柄を確実に特定したいときに使います。disclosure_type—— 開示種別で絞り込みます。決算関連や業績予想の修正など、目的の種別に限定できます。max_disclosures—— 取得する開示件数の上限。実行時間と結果量を調整します。
出力フィールド
返される各開示レコードには、次のフィールドが含まれます。
disclosure_date—— 開示日。disclosure_time—— 開示時刻。securities_code—— 証券コード。company_name—— 企業名。disclosure_type—— 開示種別。disclosure_title—— 開示のタイトル。market_segment—— 市場区分(プライム・スタンダード・グロースなど)。pdf_url—— 開示 PDF への直接リンク。原本の確認にそのまま使えます。
入力の例
特定の銘柄について、ある期間の適時開示を収集する場合を考えます。Apify コンソールの入力フォーム、または API 呼び出しで次のように指定します。
{
"ticker_filter": "7203",
"disclosure_type": "決算",
"date_from": "2026-06-01",
"date_to": "2026-06-30",
"max_disclosures": 100
}この設定で実行すると、指定期間内に該当銘柄が出した決算関連の開示一覧がデータセットとして返ります。各レコードには上記の company_name や disclosure_title、そして pdf_url が含まれるため、一覧から直接 PDF 原本へ移動できます。Actor は公開されている開示情報を整理して返すだけで、内容の評価や解釈は行いません。実際の判断は必ず原本の PDF を確認したうえで行ってください。
複数銘柄をまとめて監視する
実務では一銘柄だけを見るケースはまれです。company_filter や ticker_filter を空にして disclosure_type と期間だけを指定すれば、その期間の特定種別の開示を幅広く取得できます。逆に監視対象が明確なら、証券コードごとに実行を分けて銘柄別に結果を管理することもできます。同名企業で紛らわしい場合は、ticker_filter に証券コードを指定するのが確実です。
毎日自動で収集する —— スケジュール設定
この Actor の真価は、スケジュールと組み合わせたときに発揮されます。Apify のスケジュール機能を使えば、決まった時刻に自動実行できます。
- まず希望する入力値で一度実行し、結果を確認します。
- Apify コンソールで新しいスケジュールを作成し、この Actor と入力値を紐づけます。
- たとえば毎営業日の大引け後(15:30 など)に実行するよう Cron 式を設定します。
date_fromを前営業日に設定すれば、実行のたびに前回以降の新規開示だけを収集する構成にできます。
こうすれば、毎朝には前日の適時開示が整理された状態で用意されます。結果のデータセットは JSON・CSV・Excel でエクスポートでき、Apify のデータセット API を使って自社システムに直接取り込むこともできます。
収集したデータの活用
返された開示一覧は、さまざまな形で活用できます。社内ダッシュボードに最新の開示を表示したり、特定種別の開示が出たらチームのチャンネルに通知を送るパイプラインを組んだりできます。各レコードの pdf_url から開示原本へ直接移動できるため、一覧の取得は自動化し、内容の確認は人が原本で行う、という流れが自然に作れます。
TDnet 以外にも、EDINET の提出書類、日本株スクリーナー、JPX の空売り残高など、日本市場の公開データを扱う他の Actor と組み合わせれば、一つのデータパイプラインにまとめられます。日本データ Actor の全一覧は 日本データスイートでご確認ください。
始め方
まずは japan-tdnet-timely-disclosures の Actor ページで入力フォームを埋め、最初の実行を試してみてください。注目銘柄を一つ、短い期間で小さく始めて結果を確認し、そこからスケジュールと対象範囲を広げていくことをおすすめします。
本情報は事実に基づく公開データであり、投資助言ではありません。本 Actor は公開されている適時開示情報を収集・整理して提供するものであり、判断の際は必ず開示原本(PDF)と各機関の公式情報をご自身でご確認ください。